【AFP=時事】王女らがここ数年、アラブ首長国連邦(UAE)から立て続けに脱出を試みている。3人目となったのはムハンマド・ビン・ラシド・マクトム(Mohammed bin Rashid Al-Maktoum)UAE副大統領兼首相・ドバイ首長(70)の妻、ハヤ妃(Princess Haya、45)だ。

ハヤ妃は、ヨルダンのアブドラ・イブン・フセイン現国王(King Abdullah Ibun al-Hussein)の異母妹で、馬術のヨルダン代表選手としてオリンピックに出場した経歴を持つが、今年、英ロンドンの高等法院に、強制結婚からの保護措置を裁判所が命じる制度の適用を申請したことが明らかになった。

 UAEは、欧米に対し華やかで近代的な国家というイメージを植え付けようとしているが、ハヤ妃やマクトム氏の娘2人が逃げ出そうとしたことで、同国の人権問題に厳しい目が向けられていると活動家らは指摘する。

 2000年には、マクトム氏の娘であるシャムサ(Shamsa)王女が、英イングランドでの休暇中に側近らの目を盗んで逃げ出そうとした。だが、2か月後に見つけ出され、ドバイに強制的に連れ戻されたと伝えられている。

 また、2018年には、シャムサ王女の妹ラティファ(Latifa)王女がドバイから逃げ出そうとしたが、インド沖で捕えられたとみられている。

■偽善行為

 一連の出来事は、ドバイを中東の現代都市にしようと試みるマクトム氏の取り組みに泥を塗ることになった。

 ドバイは近年、石油資源依存から脱却し、世界から投資を集め、観光の中心地へと転換することで急速に発展している。

 ドバイは2018年11月、国際寛容サミット(World Tolerance Summit)を主催したが、これまで人権をないがしろにしていたことを考えれば、偽善極まりない行為だと人権団体から批判を浴びた。

 さらに、複数の人権団体が、法的根拠なしに政府に反対する人々を拘束しているとして非難している。国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は7月、UAEは正規の登録をしているイスラム系政治団体の活動家ら少なくとも5人を、刑期を終えた後も拘束し続けていると指摘した。

UAEの法制度の犠牲になっている個人や企業を支援する国際NGO「ディテインド・イン・ドバイ(Detained in Dubai)」はAFPの取材にこう語った。「ラティファ王女やハヤ妃の問題は、地域特有の欠陥を明らかにした。虐待に関する法律を整備しなければ、この問題はUAEの法制度の悩みの種となるだろう」。UAEの法制度の欠陥は「特に女性の人権に関して顕著だ」という。

■消息が途絶えた2人の王女
 ラティファ王女の失踪は、国際的な注目を浴びた。王女は2018年3月、ヨットで逃げようとしていたところを捕まり、ドバイに強制的に戻されたと支援者らは主張している。それ以来、ラティファ王女は公の場に姿を見せなかったが、その後、元国連(UN)人権高等弁務官でアイルランド元大統領のメアリー・ロビンソン(Mary Robinson)氏とドバイで会っている画像が公開された。

 ロビンソン氏はラティファ王女が逃げ出そうとしたことや動画を撮影したことを認め、王女は「明らかに問題を抱えている」と指摘した。

 支援者が公開した、失踪前にラティファ王女が撮影したとされる動画で王女は、父親が評判ばかり気にしていると激しく批判し、「もし、あなたがこの動画を見ているなら、あまり良いことではありません。私は死んでいるか、とても悪い状況に置かれているでしょう」と語った。

 さらに「姉のシャムサ」は2000年に英国で逃亡を図ったが、2か月後に「大勢の男」に拉致され、フランス経由でドバイに連れ戻されたとも語った。シャムサ王女は現在、「自由を奪われ、精神科医や看護師に付き添われている」という。

 シャムサ王女の失踪は謎に包まれており、王女は約20年間、公の場に姿を現していない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190805-00000010-jij_afp-int&p=2


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