【北京=藤本欣也】中国国営新華社通信は10日、王毅国務委員兼外相が9日夜、急遽(きゅうきょ)訪中したパキスタンのクレシ外相と北京で会談し、最近のカシミール情勢について「重大な懸念」を表明したと報じた。

 インドとパキスタンなどが領有権を主張するカシミール地方をめぐっては、インドが実効支配の強化に向けて、北部ジャム・カシミール州の自治権の剥奪(はくだつ)を決定したことにパキスタン側が強く反発、両国関係が悪化している。

 中国もカシミール地方の一部地域の領有権を主張しており、自治権の剥奪を決めたインドに対し、「中国側の領土主権を損なう措置だ」(外務省報道官)と抗議の意を示していた。

 新華社によると、王氏は「カシミール情勢を複雑にする一方的な行動を取るべきではない」と指摘するとともに、「中国はパキスタンが自らの正当な権益を守ることを断固支持する」と述べ、インドを牽制(けんせい)した。

 米国と貿易戦争を繰り広げる中国は目下、日本やインドなど周辺国との関係改善を推進中だ。カシミール問題でインドを刺激し、中印関係に悪影響を及ぼしたくないのが本音で、微妙な対応を迫られている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190810-00000535-san-cn


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