【ニューヨーク=上塚真由、ソウル=桜井紀雄】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は24日、国連総会の一般討論演説で、北朝鮮との軍事境界線がある非武装地帯(DMZ)を「国際平和地帯」に変える構想を打ち出し、北朝鮮と共同で国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界遺産への登録を目指す考えを訴えた。

 文氏は「70年の軍事的対決が残る悲劇的空間だが、逆説的に人が踏み込まない自然生態系の宝庫に変貌した」とDMZの価値を強調。DMZ内に国連機関などを誘致し、平和研究や軍縮のセンターになれば、「名実共に国際的な平和地帯となる」と力説した。

 約38万発の対人地雷が埋まっている現状にも触れ、「韓国軍単独での除去には15年かかる」と指摘。国連の地雷対策組織など国際社会の支援を呼び掛けた。

 「韓国は北朝鮮の安全を保証し、北朝鮮も韓国の安全を保証することを望む」と述べ、南北共同の「平和経済は朝鮮半島の平和を強固にし、東アジアと世界経済の発展に寄与する」とも主張。DMZの平和地帯化が「北朝鮮の安全を制度的にも現実的にも保証することになる」と強調した。

 ただ、北朝鮮が望む安全の保証はあくまで米国の核や軍事的脅威からの脱却であり、北朝鮮が「再び対座しない」とあからさまに韓国との対話を拒否する現状では、文氏の構想に北朝鮮が共鳴する可能性は低い。

 文氏は、東アジア各国が植民地支配を経て経済発展を遂げたとし、「過去への真摯(しんし)な省察の上に自由で公正な貿易の価値を守って協力するとき、さらに発展できる」と指摘した。「自由で公正な貿易」は日本政府による韓国向け輸出管理厳格化を批判する際に持ち出す言い回しで、直接非難は避けつつ、日本に警告したとみられている。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190925-00000526-san-kr


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