韓国検察は、「タマネギ男」ことチョ国(チョ・グク)法相の妻、チョン・ギョンシム東洋(トニャン)大教授を事情聴取した。娘の進学に有利になるよう大学の表彰状を偽造したとして私文書偽造罪で在宅起訴済みで、私募ファンドへの不透明な投資疑惑も浮上している。さらにチョン氏は、家宅捜索を受ける前に「証拠隠滅会議」を開いており、チョ氏もその動きを知っていたと報じられた。今後はチョン氏の逮捕、そしてチョ氏への捜査が焦点になりそうだ。

 韓国では重要事件の場合、容疑者らが事情聴取を受ける前に記者団に囲まれ、さらしものにされるケースが多いが、チョン氏は3日、ソウル中央地検の正面玄関からでなく、地下の駐車場から庁舎に入った。検察がチョン氏の健康状態などを考慮し公開しなかったと報じられたが、チョ氏の有形無形の圧力との見方もある。

 チョン氏をめぐっては、検察の家宅捜索を受ける前に、自宅のパソコンのハードディスクを交換していたとされる。

 3日の朝鮮日報は、チョン氏が、弟や資産管理人だった証券会社従業員、青瓦台(韓国大統領府)出身の弁護士と「証拠隠滅対策会議」を開いていたと伝えた。会議は複数回開かれていることや、参加者の顔ぶれから、検察はチョ氏もこの動きを知っていた可能性が高いとみていると報じている。

 私募ファンドの実質的所有者とされるチョ氏の親戚の男は9月中旬、横領などの容疑で検察に逮捕された。

 娘や息子も不正入学疑惑ですでに地検の事情聴取を受けている。検察を所管する現職法相の家族が相次いで捜査対象となる極めて異例の展開で、タマネギ包囲網は一段と狭まった。

 当面の注目は、検察がチョン氏の逮捕状を請求するかどうかだが、龍谷大学教授の李相哲氏は「チョ氏の妻は逮捕に至る可能性まである。検察はその後、チョ氏本人への捜査へと段階を踏むだろう。証拠はすでにそろっており、残るは本人のみというところではないか」との見方を示す。

 東亜日報は、ソウル中央地検がチョ氏からの書面調査のみでの疑惑解明は不可能だとして、チョ氏本人の事情聴取が避けられないとの方針を固めたと報じている。

 チョ氏一家を“一網打尽”にしようとしている検察だが、李氏によると、今回の捜査を突破口に、与党議員や性接待疑惑で揺れた芸能界に絡む別の疑惑を掘り下げたいとの狙いも持っているという。

 こうした検察の捜査手法に対し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は不快感をあらわにしている。聯合ニュースによると、9月30日、大統領府でチョ氏から業務報告を受けた際に、尹錫悦(ユン・ソクヨル)検事総長に対しても検察改革を進めるよう指示した。27日には「検察がいかなる干渉も受けず、全検察力を傾けるように厳正に捜査しているのに、検察改革を求める声が高まっている現実を省察することを望む」と述べている。

 文政権と検察の溝は日々深まっているが、前出の李氏は「文政権はレームダック(死に体)に向かっているといえるが、検察がしくじれば一気に風向きが変わる」と指摘。捜査の指揮をとり、「死神」と呼ばれる尹総長を文大統領が解任する可能性すらあるとみる。

 生き残るのはタマネギか死神か。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191005-00000010-ykf-int&pos=1

引用元    夕刊フジ


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