米政府が米領サモアで管理下に置いていた北朝鮮籍貨物船ワイズ・オネスト号について、米ニューヨーク州南部地区連邦地裁は21日、米政府による没収を認める判決を出した。米財務省が売却処分することになる。北朝鮮は貨物船の早期返還を求めており、反発する可能性がある。

【写真】米領サモアのツツイラ島パゴパゴ港で留め置かれた北朝鮮籍の貨物船ワイズ・オネスト号=2019年7月11日、園田耕司撮影

 米司法当局によると、この貨物船は国連安保理決議に違反して北朝鮮から石炭を輸出しようとした疑いで昨年4月、インドネシア当局が拿捕(だほ)。その後、米司法当局が押収し、今年5月にサモアに移していた。

 米ニューヨーク州南部地区のジェフリー・バーマン検事は21日、「貨物船がこれ以上の犯罪行為に使われることはなくなった。我々は米国の制裁を逃れようとするたくらみを捜査し、訴追し続ける」という声明を発表した。

 貨物船は1989年7月に建造され、全長約180メートル、総トン数は1万7千トン。米領サモアの地元紙サモアニュースによれば、貨物船は今月7日にタグボートに引っ張られてパゴパゴ港を出たという。地元住民の間では北朝鮮による報復への懸念が高まっていたこともあり、サモアニュースは「今、ビーチでビールを片手に祝っている。ついに私たちの美しい島からいなくなった」と喜ぶ地元住民の声を伝えた。

 米領サモア出発後の貨物船が向かう先は不明。建造から30年近く経つため、スクラップ処分される可能性もあるとみられる。一方、貨物船は北朝鮮が外貨稼ぎの手段として使っており、没収は大打撃だ。実務者協議が再開したばかりの米朝交渉にも影響を与える可能性がある。(ワシントン=園田耕司)

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191022-00000038-asahi-int

朝日新聞デジタル


PDF