#1. 11月初めソウル市の中心街で日本製のレクサスが横断歩道の前でしばらく停止した。通行人が「不売運動の最中に日本車を買うなんて気が知れない」と怒りをあらわにした。

#2. 京畿道郊外のあるビルの駐車場。遮断機が下ろされた駐車場の入り口で1台の車がしばらくの間、立ち往生させられた。後ろにはクラクションを鳴らす車が列を成していた。

 こうした二つの現象には、一体どんな共通点があるのだろうか。おそらく車のナンバープレートの番号が他のものよりも1桁多い可能性が高い。国土交通部(日本の省庁に相当、以下同じ)は今年9月、これまで使用していた7桁のナンバープレート(12あ1234)が飽和状態になったとの理由から、8桁のナンバープレート(123あ1234)を取り入れた。これまで2桁だったナンバープレートの前の番号が3桁に増えたのだ。

 8桁のナンバープレートは思いもよらない役割を担当することになった。日本製の不売運動への参加の是非だ。これまでの車は仕方ないとして、8桁のナンバープレートは新車を購入したという証拠であるためだ。また、民間の駐車場の入り口で認識が遅れる原因になることもある。8桁のナンバープレートの導入以降の2カ月間をリポートした。

■7桁のナンバープレートは飽和状態
 国土部によると、昨年末に韓国国内の自動車累積登録台数が2300万台を突破した。人口2.234人に1人が自動車を保有している計算だ。前の数字が2桁である従来の7桁のナンバープレートで登録可能な車は2200万台だ。これまで国土部は、自動車の登録抹消などで回収されたナンバープレートの使い回しなどで何とか忍んできたものの、これさえも今年末には底を突く見通しだ。これが、国土部が今年9月に前の数字が3桁である新しいナンバープレートを取り入れた理由だ。この組み合わせでは、自動車のナンバープレートを追加で2億1000万個まで製作することができる。半永久的に使用できると国土部はみている。車の用途別に119や112といった特殊ナンバーの適用も可能だ。現行の自動車のナンバーにハングルのパッチム(最後の音を表す子音)を加える案も検討されたものの、この場合は確保可能なナンバーが6600万個にとどまることから8桁の案が採択された。

■8桁のナンバープレートは「日本車の亡霊」
 ソウル市西大門区に住む会社員のキムさん(36)は今年7月、日本ブランドのトヨタラブ4」を購入した。車体の色彩に凝ったことで今年11月中旬に車を受け取る予定だ。従って8桁のナンバープレートを付けるようになる。キムさんは「長年にわたって家族たちが安全に乗ることができなければならないし、多くの資金が必要なだけにいろいろなことを考慮した」と話す。しかし、最近になってこの選択について悩み始めたという。キムさんは「8桁のナンバープレートを付けた日本車がオンライン上でさまざまな冷やかしの対象となり、道路でも嫌がらせをされかねないとの話も聞いた。日本車のドライバーが女性の場合、嫌がらせの程度はさらに増す」と言う。8桁のナンバープレートの導入時期が日本製品の不売運動の時期と重なったことで、不売運動に参加しているかどうかを見極める道具となってしまったのだ。実際に業界では8桁のナンバープレートが「日本車の亡霊」と呼ばれている。トヨタやレクサスなど日本車の販売台数は、新規のナンバープレートの導入を控え、今年7月の2674台から8月には1398台、9月には1103台にまで減少した。業界の関係者は「これまで日本車は他の輸入車に比べて値引きしないことで有名だったが、結局泣く泣く値下げに踏み切っている」と説明する。

■いまだ30%は8桁ナンバーを認識できず
 8桁のナンバープレートを付けた車は、民間の駐車場で大変な目に遭う可能性が高い。国土部が最近、国会のキム・チョルミン議員に提出した資料によると、全国の民間施設駐車場のうち約30%は依然として8桁のナンバープレートを認識できずにいる。今年9月基準で8桁のナンバープレートを認識できる民間施設駐車場は全国平均で71%にすぎなかった。特に地方に行けば行くほどこの割合は低下し、全羅北道の場合は半数以上(53.2%)が8桁のナンバープレートを認識できないことが分かった。8桁のナンバープレートを受け取ったイさん(38)は「外出する際に8桁のナンバープレートを認識できる駐車場をあらかじめ探しておくのは必須」と話す。ただし、警察庁の防犯用カメラと全国道路公社の料金所では100%認識される。

 国土部は「アップデートが民間施設にまで早急に行き渡るよう促している。まだアップデートができていないマンションの場合、遮断機を手動で開け閉めするため、管理室に人材を随時配置するほか、ショッピングモールなどでも駐車料金の窓口担当者を追加で待機させるよう案内している」と説明した。


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