【ソウル発】現金バラマキも企業利益が半減で経済上向かず

 「韓国経済が半世紀ぶりに最悪の状況に陥っている」

 先月29日(現地時間)、英国のフィナンシャル・タイムズ(FT)は韓国経済をこう分析した。同紙は、「韓国銀行が韓国の今年度の経済成長率予測値を従来の2.6%から2.0%へ取り下げ、来年の成長率予測値は2.5%から2.3%へと下方修正した」と伝えながら、1954年以降、韓国経済成長率が2年連続で2.5%以下と展望されるのは今回が初めてだと分析した。

 しかし、FT紙が引用した今年度の成長率予測値の「2.0%」さえも、現実的には達成できない見通しだ。3日、韓国銀行が発表した3四半期の韓国経済成長率は0.4%。この1四半期(-0.4%)、2四半期(1.0%)を反映すれば、年度成長率予測値の2.0%を達成するためには残る4四半期に0.93%の成長率を記録しなければならない。

 しかし、2、3四半期の成長率を引き上げるのに主導的な役割をした政府が、すでに今年度予算の79%を執行してしまったうえ、民間経済が依然として厳しい状況の中、0.93%の成長は蜃気楼に近いとも思われる。

 すでに、韓国の多くの民間研究院では今年度の経済成長率を1%台後半と見込んでいる。米国の信用格付け会社であるムーディーズも来年、韓国企業の大規模な格下げを警告している。韓国企業の営業環境が大きく悪化し、営業利益が減ったという理由からだ。

 これは数値でも立証されている。韓国取引所が明かした今年3四半期の上場企業(579社)の営業利益は前年同期比約41.3%も減少した。企業分析専門サイトの「財閥ドットコム」は、売上高10兆ウォン(1ウォン=0.1円)以上の大手企業13社の1~3四半期の営業利益が昨年同期に比べ、平均56.2%も減ったと発表した。特に、半導体企業の苦戦が目立ち、サムスン電子の営業利益は57.3%減、営業利益2位のハイニックスは84.9%減を記録した。

 企業の業績悪化は当然、国家財政にも悪影響を及ぼす。韓国経済新聞が集計した営業利益上位20大企業の今年の1~3四半期の法人税費用は、前年同期比48.8%減少した。つまり、上位20大企業の来年度の法人税額は12兆4000億ウォン近く減ると予想される。ちなみに、韓国では、上位20大企業の法人税が全体の3分の1を占めている。

 韓国政府は来年度の法人税減少率を18%程度と見込んでいたが、実際には50%近く減るという計算だ。韓国政府の全体税収で、法人税が占める割合が25%であることを勘案すれば、法人税の急減は、来年度に大規模な「税収欠損」を呼ぶものと見られる。

 文在寅(ムン・ジェイン)政権は、国民の生涯の暮らしに責任を負うという「包容国家」を推進するというスローガンの下、積極的な財政拡張政策を施行している。特に現金福祉(国民に現金を支援する福祉)が代表的だ。7歳未満の全体児童に毎月10万ウォンの児童手当を支給する一方、青年求職者には6ヵ月間、月50万ウォンずつ現金を支給する「国民の就職支援金」も新設した。

 中小企業の正社員に就職した若者には毎年一定の現金を支援し、65歳以上の高齢者の所得で下位70%に提供される「老人年金」も朴政権のころの月20万ウォンから下位20%は月30万ウォンに、20%-70%の人には月25万ウォンが支払われることになった。

 韓国メディアによると、文在寅政権に入って現金福祉予算が50%以上拡張され、来年の2020年度の現金福祉費用はおよそ54兆ウォンにのぼるという。しかし、企業の業績悪化で税収調達に困難が予想される状況で、福祉予算の確保にも「赤信号」が灯っている状態だ。

 「企業が滅びると国も亡びる」 このシンプルな真理が選挙を控えた文在寅政権の足を引っ張っているのだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20191211-00010000-socra-int

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