トランプ米大統領は13日午後(日本時間14日早朝)、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて国家非常事態を宣言した。災害救助・緊急支援法に基づく宣言で、最大500億ドル(約5兆3500億円)の連邦予算を新型コロナ対策に活用できるほか、連邦緊急事態管理局(FEMA)に州政府など地方機関との調整権限を与える。米国社会や経済に新型コロナ流行の影響が広がるなか、連邦政府として対策強化が必要と判断した。

 ホワイトハウスで記者会見したトランプ氏は「連邦政府の力を完全に引き出し、新型コロナに打ち勝つ措置を講じる」として非常事態を宣言した。

 トランプ氏は、新型コロナの感染拡大を防ぐため「今後8週間が極めて重要だ」と述べ、民間企業の協力を得て新型コロナの医療・検査体制を早急に整えると説明。米保健福祉省の医療規制を緩和し、医療施設の病床数拡充や遠隔診断、大型小売店の駐車場を利用したドライブスルー型検査などを想定していることを明らかにした。

 また、連邦政府が提供する学生ローンの利子払いの免除を打ち出したほか、原油価格急落で経営に打撃を受ける石油業界への支援策として、米国産原油を戦略備蓄用に購入する方針も表明。航空業界やクルーズ船など、新型コロナ流行で打撃を受ける産業への支援を行う考えも改めて示した。

 トランプ氏は11日にも国民向けにテレビ演説し、新型コロナ対策として英国を除く欧州に対する30日間の入国規制を発表したが、株式市場の大暴落を招くなど対応が裏目に出た経緯がある。11月の米大統領選での再選に向け、非常事態宣言で自らの指導力をアピールする狙いもあるとみられる。米疾病対策センター(CDC)によると、米国の新型コロナ感染者は13日時点で1629人に達し、41人が死亡した。すでにニューヨークやカリフォルニアなどの州政府が非常事態を宣言している。

 一方、トランプ政権と米議会下院は13日、新型コロナに関する経済対策で合意した。下院は同日中に法案を可決する。上院の可決、トランプ氏の署名を経て来週にも成立する見通し。経済対策では新型コロナの検査無料化や、2週間の有給病気休暇などが盛り込まれる。トランプ氏が要求していた給与税減税は含まれておらず、今後議論を継続する。【ワシントン中井正裕】

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200314-00000017-mai-n_ame

毎日新聞


PDF