A Japan Airlines Boeing 767-300ER plane takes off as a Philippine Airlines Airbus A330-300 plane taxis on the runway of the Ninoy Aquino International Airport (NAIA) terminal 1 in Pasay city, metro Manila, Philippines January 11, 2018. REUTERS/Romeo Ranoco – RC1D16B57580

フィリピンの観光地セブ島に取り残された日本人留学生や観光客の脱出問題が浮上。急きょ民間による臨時便が出発した

フィリピン中部のセブ島はビーチリゾートの観光地であり、またマニラ首都圏などに比べると治安が格段にいいこと、生活費なども安いことから英会話学校で英語を学ぶ外国人が近年増加している。そして中国人、韓国人などに交じって若者を中心とした日本人も約70校という現地英語学習に通っていた。

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ところが今回の新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、フィリピン政府は中国人、韓国人の入国制限、帰国勧奨を実施。このため中国人や韓国人の留学生は早い時期にそれぞれ本国に帰国した。

しかし、多くの日本人留学生は留まって勉強を続けていたところ、フィリピン政府が3月13日に語学学校などの休校も指示、全校が一斉に授業を中断して休校となってしまった。

困ったのは日本人留学生たちである。語学学校の中には学校の施設や寮を開放して留学生に便宜を図っているところもあるが、宿泊先や生活の面で不自由になり、多くの日本人留学生は日本への帰国を検討するようになった。

だがすでにフィリピンは国際線、国内線とも航空便は大幅な減便、運航停止などで簡単に日本に戻れる状況ではなくなっていた。

<約1000人が足止め状態に>

セブは島であるため陸路での「脱出」はできず、海路で島を出る旅客船も運航を停止しているため、「陸の孤島」となり完全に取り残されてしまった。

現地セブ日本人会やセブ島にいるフィリピン在住日本人などからの情報を総合すると、20日までに確認できた残留日本人留学生は約1000人。また学校とは直接関係のない観光客などの日本人が約200人残されていて、その大半が日本への帰国を希望しているという。英会話学校、経営の危機

フィリピン政府は感染拡大防止策として外国人の入国は現在厳しく制限しているものの、外国人の出国に関しては可能な限りの支援をする、としている。このため、セブ島の日本人帰国問題に関してもフィリピン航空が臨時便で対応する方向で調整が進められていた。

その結果、20日に第1陣として臨時便が2機セブ島を離陸して成田空港など日本に向かった。現地からの情報では21日にも臨時便が出発する予定で、帰国を希望する日本人に最大限の対応がとられることになったとしている。

ただ民間の臨時便のため航空運賃は各自の自己負担となったとされ、現地では未確認情報として日本までの片道で約1000米ドルという高額に航空運賃が吊り上がっているともいわれている。

<休校指示で英会話学校も経営の危機>

一方、セブ島で英会話学校を経営する日本人の間では、コロナウイルス対策で政府が教育機関の一斉休校を決めたことや、留学生の日本引き揚げに伴って、早くも経営難が深刻な問題として浮上しており「このままでは倒産することも十分に考えられる状況だ」と話す学校経営者もいるという。

また、マニラ首都圏と同様に夜間外出禁止令が出される状況のため、語学学校経営者だけでなく、セブ島の観光業者、旅行会社、ホテル、レストランなどは非常に厳しい経営環境に直面しているという。

同様の状況はマニラ首都圏でも深刻で、事実上の「首都封鎖」で人の出入りが制限され、夜間外出禁止令も出されたため、検問所では軍の兵士も動員された厳しい監視が続いている。そのため歓楽街やレストラン、ショッピングモールなどでの商業活動は著しい影響を受けている。

こういった状況で、マニラ首都圏でも日本に帰ろうにも航空便のキャンセルや運航停止、さらにホテルの営業見合わせなどで行き場を失った日本人観光客などが少なからず足止めされ、取り残されているといわれており、新たな問題として浮上しているという。

大塚智彦

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200321-00010000-newsweek-int

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