<感染者数の伸びが鈍化する傾向に。それでも1日あたりの死者数は数百人単位>

スペインではこの1週間、新型コロナウイルスの感染拡大の勢いが鈍化してきた様子が見られる。新たに確認された感染者も死者も1日あたりの数が減ってきていると、スペイン保健省は明らかにした。

【動画】マスク姿のアジア人女性がNYで暴行受ける

ジョンズ・ホプキンス大学のデータによれば、スペインではすでに回復した人の数が3万8000人を超えた一方で、累計の感染者計は世界第2位の13万1000人に達している。死者数も世界第2位の1万2641人だ。

それでもスペイン保健省の4月5日の発表によれば、新たに確認された感染者数は6023人。増加率(前日比)は4.8%で、感染拡大が始まって以降、最も小さくなった。3月25日の20%と比べても大きく減少しているのが分かる。

1日あたりの死者数も減少している。前の週は812~950人だったが、5日の発表では674人となっている。

「1日あたりの平均増加率の動きに変化が見られる」と、スペインの保健警報・緊急事態調整センターの広報担当者マリアホセ・シエラは30日の記者会見で述べた。

「ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)の措置がスペイン全国で実施されるようになった日以降、つまり3月15~25日を見ると、感染者数の1日あたりの平均増加率は20%だった。それがその日(25日)以降は12%になっている」

<「ソーシャル・ディスタンシングの成果が出た」>

シエラはこの減少をそのままコロナ流行の沈静化と受け取ることには慎重だったが、「ソーシャル・ディスタンシングの実施によって期待されていた通りの成果だ」とも述べた。

3月31日には新たな感染者数が11%も増え、死者数も849人と過去最高を記録している。それでも全体的な傾向としては流行は落ち着きつつあると見られている。

「感染者数が(一時的に)また増えたのは確かだが」とシエラは述べた。「(それでも減少傾向は)続いている」

スペインではロックダウン都市封鎖)が実施されて3週間近くが経過しているが、AP通信によれば3月30日からはさらに生活に必要不可欠でない経済活動のすべてが停止されている。最も深刻なのは首都マドリードのあるマドリード自治州で、新型コロナウイルスの感染者は3万7000人に上る。スペイン第2の都市バルセロナのあるカタルーニャ自治州でも、2万6000人以上が感染している。

全国の病院のうち少なくとも3分の1は対応能力の限界に達していると言われ、医療従事者の感染も相次いでいる。30日の時点で1万3000人近くの医療従事者が感染したと伝えられている。<ICUにかかる負担をいかに軽減するか>

「対応策を考えるにあたっては、ICU(集中治療室)にかかる負担を軽減することが重要になるだろう」とシエラは言う。「感染した人がICUに入った場合を考えると、回復までには2~3週間かかる可能性がある。その負担はかなりのものだ」

ジョンズ・ホプキンス大学のデータによれば、新型コロナウイルスはこれまでに世界183カ国・地域に広がっている。現在、感染の中心となっているのはアメリカで、感染者数の累計は33万7000人に上る。

回復した人は26万人を超える一方で、死者の数は7万人近くに達している。下は調査会社スタティスタによる、世界における新型コロナウイルスの広がりを示す図だ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200406-00010006-newsweek-int

ニューズウィーク日本版


PDF