ベトナムでは新型コロナウイルス感染抑止策として実施された移動制限とソーシャル・ディスタンシング(対人距離の確保)の解除が始まり、主要都市は日常を取り戻しつつある。他の多くの東南アジア諸国で、いまだに厳しい措置が続いているのとは対象的だ。

 グェン・スアン・フック首相は4月22日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の大規模な流行が「起こる確率が高い」省はなくなったと宣言しつつ、生活に直結しない事業については営業自粛を継続する方針を発表した。

 人口9500万人の共産主義国ベトナムが、感染拡大の封じ止めに成功したことはあまり知られていない。新型コロナウイルスの感染者数は、これまで270人ほどにとどまっている。

 同様に感染対策で強さを発揮した韓国や台湾ほど経済力はなく、また流行の発祥地となった中国と国境が1400キロにわたって接しているにもかかわらず、ベトナムは感染を制御することができた。

 ベトナムの敏速な対応は、他のアジア諸国同様、近い過去に急性重症呼吸器症候群(SARS)や新型インフルエンザ(H151)などの危険性が高い感染症に見舞われた経験に基づいている。その結果、強力な流行対策を取ることができた。

 ベトナムの戦略は小さなクラスター(感染者の集団)が発生してから感染が拡大する前の段階で、接触者の徹底的な追跡と検査を組み合わせて早急に封じ込めることに焦点が当てられていた。

 今年1月に中国国外で初めての例として新型コロナウイルスが確認されて以降、ベトナム政府は直ちに対応に乗り出した。2月には少数の感染者が確認された北部ビンフック省にある人口約1万人のソンロイ村を隔離した。

 また世界的流行の早期から、ハイリスク地域からベトナムを訪れた人全員に14日間の隔離措置を取った。すべての学校・大学も2月初めから休校している。

 その後、新たな感染者がいない日が22日間にわたって続いたが、3月に入り、英ロンドンから到着した旅客機に関連したクラスターが発生した。当局は乗客全員を追跡・隔離し、英国を始めとする欧州数か国に対し、ビザなし入国を一時停止する措置を取った。さらに国境も封鎖した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200502-00010000-clc_teleg-int

The Telegraph


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