米国の怒りはウイルスに対してだけではない

 米国だけではない……隠ぺいによってウイルスを拡散させた中国共産党に対する怒りが世界中で高まっている。「共産党発表(大本営発表)」を繰り返す共産主義中国のリーダーは「習隠蔽」と呼びたいくらいだが、このニュアンスが英語圏の人々に伝わらないのは残念だ…… 【写真】コロナ危機で、じつは日本が「世界で一人勝ち」する時代がきそうなワケ…

しかし、欧米の共産主義中国に対する怒りは、媚中派の政治家やオールドメディが主力である日本よりもすさまじい。  米国が、中共(武漢)肺炎肺炎流行のかなり前から、「貿易戦争」で激しく中国と対立していたのは周知の事実である。  それだけではない。  12月24日の記事「ウイグル人権法案、じつは『日本企業』が他人事とはいえない可能性」で述べた様に、米国は中国の人権問題に対しても厳しい態度をとっている。この記事で「下院で407対1の圧倒的賛成多数で可決した」と述べたウイグル人権法案が、5月14日に上院で「全員一致」で可決された。  トランプ大統領が署名を拒む理由はなく、近日中に法案が成立するものと思われる。これにより、香港・チベットなどとともに「共産主義中国の人権侵害」に対して米国が対抗措置を取ることができる体制が完成する。

トランプは断交が選択肢の1つと明言

 それだけではない。5月14日放送のFOXビジネステレビのインタビューで、「共産主義中国との関係を遮断することもできる」と発言。場合によっては「断交」もありうると示唆したが、これは対中国向けの言葉というよりも、11月に控えた大統領選挙における有権者向けの発言である。  トランプ氏が、国民の心理(本音)に精通し政策にすかさず反映していることは、1月16日の記事「勝つためには手段を選ばない男・トランプとは何者か…ルーツを探る」で述べた。  人権問題、不公正貿易、安全保障問題などで米国民の怒りが頂点に達していることは、ウイグルを含む各種人権法案が媚中派とされる民主党議員も含めて、ほぼ全会一致で成立していることでもわかる。  米国で感染が拡大した理由には、トランプ政権の不手際があげられる。また、極端な貧富の差(NYでは貧困地区の感染率が高いと報告されている)や多様な人々が本国での多様な生活習慣を持ち込んで生活しているという米国固有の(不法)移民問題もある。  しかし、共産主義中国がウイルス発生初期に「隠蔽工作」を行わなければ、世界中の国々がより良い対策を実行できたのは明らかである。それにもかかわらず、「火元」である中国が欧米諸国の感染対策を論評するなどという「おまゆう発言」を繰り返していれば、欧米諸国が激怒するのが当然である。  トランプ氏は中共(武漢)肺炎の感染拡大で中国の責任を問うため報復措置を検討している。「できることはたくさんある。もし関係を途絶えさせたら、5000億ドル(約54兆円)を節約できる」と述べた様に米中貿易の断絶も選択肢になると示唆しているのだ。  また、5月13日に明らかになった米連邦職員年金基金による中国株への投資の停止もトランプ政権の要請を受けたものと伝えられる。  また、欧州諸国もこれまでは5月25日公開の「人類の敵・中国を大躍進させたメルケル首相『16年間の独裁』」で述べたドイツを筆頭に媚中的行動が目立ったが、中共(武漢)肺炎肺炎の惨劇によってその態度が大きく変化した。国民の怒りはどの国でも無視できない。  その中で、いまだに媚中派の政治家やオールドメディが騒がしい日本が「すすむべき道」を誤らないか心配である。

ウイルスを拡散させたのは誰か?

 日本は非常に寛容な国で「ネチネチと過去のことをほじくり返す近隣の国々や第2次世界大戦の結果でいまだに威張る世界の多くの国々」とは違う。  「すべてを水に流す」という言葉は、日本独特のものだと思える(世界中の言葉を調べたわけではないが……)。多くの災害に見舞われ、そのたびにすべてを文字通り「水に流されてきた」日本人の知恵だと思う。  過去のことをネチネチとほじくり返すのではなく、「みんな水に流されて裸一貫なんだから、過去のこだわりを捨てて、一緒に協力しようよ」という文化が記録に残るだけでも1400年という「世界最古の国」が維持出来てきた秘訣だといえる。  4月14日の記事「コロナ危機で、じつは日本が『世界で一人勝ち』する時代がきそうなワケ」で述べた様に、中共(武漢)肺炎の惨劇を乗り越えて日本が復活すると確信できるのも、「1400年の伝統」が日本にあるからだ。  しかし、この「すべてを水に流す」行為は、「文化を共有できる人々」の間でしか成りたたない。  例えば、日本が「すべてを水に流す」のに、過去のことを「真偽に関わらず」ネチネチと掘り返し、謝罪要求や賠償請求を繰り返す国々とは結局付き合っていけない。  「戦略的放置」も有効な手段だが、東日本大震災当時に続き、今回も「火事場泥棒」のように日本の領土への侵犯を繰り返す共産主義中国には、より積極的な対策が必要である。  トランプ氏が言及したような「断交」も選択肢の1つに入れるべきである。  共産主義中国と断交して困る日本国民は実のところあまりいない。困るのは万里の長城を観光できなくなることくらいであろうか?   確かに、「低賃金の下請け」として中国を活用していた日本の大企業は困るかもしれないが、4月17日の記事「マスク不足の真犯人は誰だ!  中国共産党政権の火事場泥棒を許すな」で述べた通り、生産の中国依存は「国民の安心・安全」を危機にさらしかねないのだ。  安倍政権も生産拠点が集中する中国(など)から日本への国内回帰や第3国への移転を支援する方針だから、中国に進出してしまってから「しまった」と思っている日本企業は中国大陸から撤退するチャンスだ。  また、2019年5月29日の記事「世界経済低迷の最大原因・中国が退場すればデフレが終わる」で述べた様に、日本の長引くデフレの大きな原因は、中国大陸からの輸入にある。したがって、「断交」は一時的な混乱は別にして、日本経済を繁栄に導く。  少なくとも、長期的な日本経済を考えれば「断交」によるデメリットはないし、むしろそれを行うべきであるということを示唆している。

中国(人)が所有する土地を没収も

 米国では、中共(武漢)肺炎拡散の責任を問う裁判での賠償金の支払いを担保する方法として、中国が保有する米国債の凍結が議論されている。  幸か不幸か、日本国債の保有者の大部分が居住者だが、日本の土地を中国勢が買いあさっていることは周知の事実だ。  共産主義中国では、土地は国有だから日本人は中国の土地を所有できない(50年などの長期で借りているだけ。中国国民も同じ)。  したがって、日本人が中国の不動産を保有できるようになるまでは「対等条件」を主張すべきでは無いであろうか? すなわち、日本において「土地が国有の国の外国人」が購入した場合は、50年後にその土地を国有化するということである。  個人は国家間の問題と関係無いという意見があるかもしれないが、不満があれば中国国民は中国共産党に外国人の土地の私有化という「平等な条件」を認めさせるべきである。  実際、大陸中国の混乱が予想される中では、建物などを含む日本企業資産の没収が行われる可能性が高いから、対抗御措置ができる法整備を行わなければならないと考える。

ウイルス・人権・貿易不均衡は世界の問題

 日中間の歴史問題に対して欧米では関心が薄く、その間隙をぬって、中国人による日本人大虐殺=「通州事件」を無視して、ろくな証拠がないいわゆる「南京大虐殺」などを騒ぎ立てるプロパガンダが行われていた。  しかし、今回の中共(武漢)肺炎によって、共産党発表の欺瞞が世界中の人々に明らかになった。事情が分からずに、中国共産党の言い分をうのみにして日本を非難していた人々も目を覚ましたはずだ。  世界中の人々が、中国共産党の実像を理解した今こそ、日本は「断交」も含めた「厳しい態度」で臨むべきだ。世界中の先進国が日本の後押しをしてくれるはずである。

1つの中国は中華民国(台湾)である

 ナチス・ドイツと手を組んだ戦前の過ちを繰り返してはならない。日本は、第2次世界大戦で組む相手を間違えて、戦後75年間も苦しんだ。  現在の中国共産党は、少なくとも米国ではナチス・ドイツ同様「人類の敵」として扱われている。  また、共産主義中国は「1つの中国」を強調するが、中国が1つしかないのであれば、ポツダム宣言に参加したことなどの歴史的正当性から「中華民国=台湾=民主主義中国」がそれに該当する。  今米国が目指しているのは、明確に中華民国(台湾)が1つの中国であった「米中国交正常化」の前の世界である。1つの中国である中華民国(台湾)と国交を結べば、中華民国を暴力で追い出して成立した共産主義中国とは断行することになる。  また、日本にとって本当に大事なのは、台湾と華僑である。共産主義中国の奇跡の成長の原動力は実は彼らなのである。共産党幹部を中心とした中国大陸の人々は、その果実を奪っただけにしか過ぎない  そもそも、台湾や華僑の人々は主に共産主義者による「暴力革命」の魔の手から逃亡してきた人々の集団である。どちらをとるべきかは明らかだ。  日本はそれほど遠くない将来に「決断」を迫られるはずである。

世界は「民主主義国家」と「反民主主義国家」に2分

 東西冷戦は、資本主義と共産主義の対立とされるが、今始まったばかりの第2次冷戦は「民主主義」対「反民主主義」の対決といえる。  最終的には米国・英国を中心とした「ファイブアイズ」(重要軍事情報を共有するUKUSA協定を締結している米国・英国・カナダ・オーストラリア・ニュージーランドの5か国)が勝利するはずだから、日本も9月18日の記事「ブレグジットの英国、やがて米国と『巨大経済圏』を作るかもしれない」で述べた様に、安倍首相が上手にまとめたTPP11を土台にこれらの国々と親密な関係を保つべきである。  逆に、巨大な「反民主主義国家」である共産主義中国とは早急に断行すべきである。中共(武漢)肺炎肺炎対策で、中国からの入国が規制されている今が最大のチャンスかもしれない。

大原 浩(国際投資アナリスト)

https://news.yahoo.co.jp/articles/bbe90f5e98b7eea0806fb6bd8a3a03988de0365c?page=4

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