「韓国は嘘をついても責任を取らない民族」などと、ヘイトスピーチに該当するような社内文書を職場で連日配布されて精神的苦痛を受けたとして、在日韓国人の女性が会社側に損害賠償を求めた裁判で、大阪地裁堺支部は110万円の支払いを命じました。

訴えを起こしていたのは、大阪府岸和田市にある不動産大手「フジ住宅」のパート従業員で在日韓国人3世の女性(50代)です。訴状などによりますと、2013年ごろから創業者の会長が全従業員に対して、業務内容とは関係のない歴史認識や政治思想に関する書籍や新聞記事のコピーなどを社内文書として連日配布し、それらへの感想が書かれた一部従業員の業務日報も全従業員に配り続けたということです。

【配布されていた文書の一部抜粋】 「嘘をついても責任を取らない民族性」 「韓国は日本に併合してもらっていなかったらロシアの配下となりスターリンにでも虐殺されていたと思います」 この他にも「韓国人は嘘つき」などと書かれていました。原告の女性 2015年取材

(原告の女性 2015年取材) 「自分の上司が、元から中国や韓国が嫌いという内容を書いているのを見て、ショックを受けた。売国奴とか国賊とか、なんで会社でこんな言葉が飛び交うのかがわからない。」

女性は「職場で従業員を差別的表現にさらすことを防ぐ職場環境配慮義務に違反していて、ヘイト文書の配布で人格権を侵害した」として、会社などに3300万円の損害賠償を求めて2015年に提訴。提訴後には上司から会社を辞めるように言われたといいます。

2019年10月に行われた裁判では、フジ住宅の社員や支援者ら600人以上が50席ほどの傍聴券を求めて長蛇の列を作りました。

会長は裁判の中で「差別はすべきでないが、正しいと思うから配っているだけ」「読む読まないは自由」として、ヘイトではないと述べました。会社側も「女性は直接差別的な言動を受けていない」と主張していました。

そして今年7月2日の判決。大阪地裁堺支部は、社内文書について「死ねよ、嘘つき、野生動物などの激しい人格攻撃の文言を用いることは、国籍によって差別的取り扱いを受けない人格的利益を具体的に侵害するおそれがあり、社会的に許容し得る限界を超える違法なものである」とし、フジ住宅側に110万円の支払いを命じました。

フジ住宅は取材に対し「対応は弁護士に一任しています」とコメントしています。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d94f39b0bdf87a4bc986304b47227494111fa63d

MBSニュース


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