「WTO版仁川上陸作戦」は成功するだろうか?  世界貿易機関(WTO)の新しい事務局長の選考をめぐり、米国が決選投票の結果を事実上「拒否」するという異例の行動に出て、崖っぷちに追い込まれた韓国の兪明希(ユ・ミョンヒ)候補のアシストに乗り出した。28日に行われたWTOの決選投票で、加盟国全164か国のうち中国など約100か国がナイジェリアのオコンジョイウェアラ氏を支持し、同氏の事務局長選出が確実視された瞬間、米国が突然待ったをかけたわけだ。「兪明希劣勢」となった投票結果にうなだれた韓国外交部と産業通商資源部(いずれも省に相当)も、米国の支援攻勢にしばし逆転の希望を抱いている雰囲気だ。 ■世界最高の国ランキング1位はスイス、韓国は20位、日本は?  WTOはこの日、慣例にならって両候補の得票数を公開しなかった。しかしBBCなど外信各社はWTO筋の話として「全164加盟国のうち約104か国がオコンジョイウェアラ候補に投票した」と報じた。通常なら兪明希氏は結果に承服し、オコンジョイウェアラ候補が加盟国の満場一致で次期事務局長に推薦される「コンセンサス(意見の一致)」の手続きに参加しなければならない。WTOの決選投票は一般的な選挙とは異なり、多数得票者がそのまま当選するシステムではない。優勢を確認するための一種の好感度調査だ。WTOはこの結果を根拠に、少数派に対し、これまでの立場を撤回して多数派の意向に従うよう要請し、満場一致の結果をつくり上げて次期事務局長を推薦する。  しかし、今回は異例の事態が起きた。投票結果が出て間もなく、米国が突然声明を発表し「われわれは兪明希氏を支持する」との意思を明らかにしたのだ。一般的に、各国は支持候補を非公開でWTO側に伝えることになっており、公開することはない。支持しない国との外交関係、そして次期WTO事務局長のリーダーシップ保護のためだ。  米通商代表部(USTR)は声明で「兪明希氏は成功的な通商交渉家、そして貿易政策の立案者として、25年にわたり優れた能力を見せた本当の通商専門家」として支持を宣言した。外交消息筋は「米国は、親中派のナイジェリア候補の事務局長選出を阻止し、韓国をその座に着かせようという意志が強そうだ」と話した。実際に、英紙ガーディアンなど複数の外信は、決選投票の結果に反対して韓国支援に回った米国の態度について、WTOの慣例を破るものだとして否定的な見方を示した。それほど異例の事態というわけだ。

米国がWTOの選挙戦に積極的に関わり始めた背景には、中国けん制の意図が隠れているとみられる。これに先立ち米国は「中国の開発途上国指定」に反対し、貿易紛争の際にいわば最高裁判所の役割を果たすWTOの紛争解決機関の委員選任を阻止し、機能をまひさせたこともあった。米国のトランプ大統領はWTOが中国寄りの態度を見せているため、米国が損害を被っているとしてWTO脱退に言及していた。  韓国政府がこのような米国の支援を受けて最終的に逆転できるのかどうかは未知数だ。中国と中国の意向に従う複数の開発途上国が兪明希氏を支持していない上、中国の台頭をけん制する欧州と日本さえも韓国を支持していないからだ。現時点では米国が唯一の「頼みの綱」というわけだ。  ガーディアンは「米国が今後もナイジェリアの候補を支持しない場合、WTOはコンセンサスによって事務局長を選出してきた25年間の慣例を破り、多数得票者が当選する方式の投票を実施する可能性がある」と報じた。韓国政府が中国との関係や、ナイジェリア候補優勢となった今回の投票結果を総合的に検討し、今の段階で辞退するのではないかとの見方も出ている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/dd090654f1894c5c5bc3fecf0675b65d02c03637?page=2

朝鮮日報日本語版


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