今年一年で最も輝かしい経済成長を遂げた国は、人口約2357万人の台湾だ。台湾の行政院は先月27日「当初1.56%だった2020年度の経済成長率見通しを2.54%に上方修正する」と発表した。これは、国際通貨基金(IMF)が10月に予想した今年の韓国と中国の経済成長率(それぞれ-1.9%、0.9%)を大きく上回る。

■コロナ時代に住みやすい国1位はNZ、韓国4位、台湾は?  IMFは同月、台湾の今年の経済成長率を0%と見通していた。しかし、今年10月と11月の台湾の輸出額は単月ベースで過去最高(1位と2位)を記録した。下半期の経済が予想以上の超好況の兆しを見せると、台湾政府が予想値を修正したのだ。この見通しが現実になれば、台湾は1991年以来、29年ぶりに中国の経済成長率を追い抜くことになる。同時に、人口2000万人以上の世界の主要国の中で、経済成長率1位の座に就くことになる。 ■台湾、3年連続で韓国に完勝…29年ぶりに中国も上回る  IMFの2021年度の経済成長率見通しでも、台湾(3.2%)は韓国(2.8%)を上回る。文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足した17年から来年までの5年間で、18年を除く4年は全て台湾の経済成長率(21年は見通し)の方が高い。昨年からは3年連続で台湾の完勝だ。来年には台湾ドルの漸進的な切り上げも行われ、台湾の1人当たりの国民所得が史上初めて3万ドルを超えて韓国を本格的に脅かすとの見方が有力だ。  IMFは最近の報告書で「国内総生産(GDP)に占める政府債務比率に関しては、台湾は17年の34.0%から今年は35.6%、25年には29.3%と安定的に管理されるだろう」との見通しを示した。一方で韓国については、17年の40.1%から今年は48.4%、5年後には65.0%へと悪化すると予想した。国の予算を管理する政府の財政運営能力面でも、台湾の方が韓国よりも模範国家として認められているというわけだ。  1970-80年代には、韓国と台湾は共に「アジアの4竜」として争っていたが、2003年に1人当たりの国民所得で韓国が台湾を追い越して以降は差が広がり続け、韓国は台湾を「格下」と見てきた。そのため韓国にとっては今の状況は実に恥ずかしいことだ。いったいなぜ、このような逆転が起きたのか。結論から言えば、中国に対する執権層の態度が、両国の経済の運命と国の命運を分ける重要な鍵として作用しているのだ。台湾と韓国はGDPと総輸出に占める中国の割合が、それぞれ世界1位と2位であり、経済面での中国依存度が高い国なのだ。

■中国と堂々と渡り合う台湾vs中国を格上のように敬う韓国  しかし最近4年間は、両国の対応は対照的だった。新型コロナウイルスへの対応を見てもそうだ。台湾は世界で最初に中国からの入国と往来を全面的に遮断し、強力な「中国防火壁」を立てた。反対に韓国は、中国との経済協力や経済面での衝撃を理由に、これまで全面的な遮断措置を取らずにいる。  それぞれの結果は既にご存じの通りだ。台湾で今年1月22日に初めて新型コロナの感染者が確認されて以降、これまで(12月30日午後9時39分現在)の累積感染者数は797人、死亡者数は計7人で、韓国で最近確認されている1日の新規感染者数よりずっと少ない。同じ期間の韓国の累積感染者数(5万9773人)と死亡者数(879人)は、台湾と比べてそれぞれ75倍、126倍多い。台湾の人口が韓国の約半数だという点を考えても「K防疫」の完敗だ。  2016年5月に就任した蔡英文総統の「脱中国の産業政策」も経済復興の大きな力となっている。蔡総統は、中国で高賃金化が進んで企業環境が不安定になっていることから、中国に進出している台湾企業の国内への復帰を積極的に誘導した。その結果、昨年8月までに中国の工場などを撤収して台湾にUターンすることを決め、台湾への再投資計画を明らかにした企業は102社にも上る。世界最大の自転車メーカー「ジャイアント」や、コンピューターメーカー「コンパル・エレクトロニクス」、世界最大のファウンドリ(半導体の受託生産)企業「TSMC」などは、すでに台湾への移転を完了したか、または移転を進めているところだ。これらの企業の台湾への投資計画は5047億台湾ドル(約1兆8500億円)に達する。  米中の覇権争いが激化する中、台湾政府はTSMCの米国アリゾナ州への半導体工場建設(120億ドル投資)と、電子機器受託製造企業「フォクスコン」のウィスコンシン州への最先端液晶パネル工場建設(100億ドル)を許可し、確実に「米国側」についた。米中の対決という地政学的な変化に伴う反射利益に加え「コロナ特需」まで享受した台湾のIT企業各社は、殺到する注文のおかげで今年は過去最高の好況を満喫している。 ■台湾は「脱中国」で超好況…韓国はTHAAD報復解除もまだ  おかげで、今年で在任5年目となる蔡英文総統は、台湾の歴代総統の中で最高の支持率(74.5%)を記録した。今年5月に行われた蔡総統の(2期目の)就任式には米国のポンペオ国務長官をはじめ、41か国・地域から92人の要人が映像で祝賀メッセージを送った。国際社会で「仲間外れ」だった台湾の存在感をも急激に高めたわけだ。  韓国政府はどうだろうか。2017年末に文在寅大統領が3泊4日で訪中した際、中国の指導部との食事はわずか2回で、残り6回の食事を「ぼっち飯」で済ませるなど、中国をまるで「上国」(かつて小国から朝貢を受けた大国)のように敬っている。さらに、終末高高度防衛ミサイル(THAAD)の韓国配備への報復措置から丸3年が過ぎた今でも、報復を解除するという発言を引き出せずにいる。  流血の天安門事件(1989年6月)から31年を迎えた今年、世界中で、事件以来最も熱い反中の波が野原を燃やす炎のように広がった。米国に近い日本・オーストラリア・カナダはもちろん、中国に友好的だったEU、インド、東南アジアの国々まで「中国の幻想」から目覚め、中国に背を向けた。来月発足予定の米次期政権も、中国に高強度の圧力をかける方針を重ねて表明している。  2021年も文在寅政権が中国への幻想にとらわれ、中国の顔色を伺うような態度を取り続けるのなら、経済が悪化して台湾との差が開くばかりか、国運の衰退を招くだろう。

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