「ブラジルで中国製薬大手シノバック製のワクチンの緊急使用が承認された」 「セルビアに中国のワクチン100万本が到着した」 中国の国営メディアは連日、世界各地で続々と中国製のワクチンの使用が始まったことを伝えています。アジア、アフリカ、南米そして欧州まで…世界を舞台に中国のワクチン外交が本格化しているのです。 ■中国製ワクチン、欧州にも… 1月16日、セルビアのブチッチ大統領は、首都ベオグラードの空港に出迎えに行きました。出迎えた相手は海外からの要人ではなく、中国製のワクチンです。届いたのは中国製薬大手「シノファーム」が開発したワクチン100万回分。中国国営メディアは、大統領が中国への感謝を表し、自ら接種すると宣言している様子を雄壮なBGMに乗せて報じました。2020年、圧倒的な生産力で世界各地に医療品を供給し、「マスク外交」が展開されていた頃とそっくりの光景です。 また、隣国のハンガリーも、シノファームのワクチン100万回分を購入する契約を交わしたといいます。記者会見で政権の幹部は、「EU(=ヨーロッパ連合)からのワクチン供給は遅すぎる」と述べました。 中国製のワクチンは、臨床試験のデータに関する情報開示が少なく不透明との指摘もありますが、欧米企業のワクチン供給を待ちきれない国々が次々と中国製のワクチン導入に踏み切り始めています。 中国の2つのワクチン開発企業「シノファーム」と「シノバック」は、2021年中に、それぞれ年間10億回分の量産体制に移行できると自信を見せています。 また、中国外務省の報道官は、中国企業が開発したワクチンについて、「超低温での保存や輸送が不要」とも述べていて、冷凍設備が不十分な途上国にも迅速に供給できる利点を強調しました。 ■東南アジア、アフリカ、ワクチン外交本格化 中国の王毅外相は、1月11日から16日まで東南アジア各国を訪問。ここでも存在感を見せたのは中国製ワクチンです。ミャンマーでは中国製ワクチン30万回分の無償提供を、フィリピンでは同じく50万回分の無償提供を申し出ています。 さらに、インドネシアでは、王毅外相の到着に合わせるかのように、シノバックのワクチンをジョコ大統領が率先して接種。王毅外相は、「中国製ワクチンへの信任と、感染症と闘う決意を体現している」と称賛しました。 地元メディアによりますと、インドネシアはすでに、シノバックより1億2500万本の供給を確保したといいます。訪問先で王毅外相がワクチン協力と合わせて訴えたのは、習近平指導部が推し進める巨大経済圏構想「一帯一路」への協力の確認や、南シナ海の問題を地域内で解決していこうというものです。 王毅外相は歴訪後、その成果を強調する一方で、こうも強調しました。「我々は様々なニセ多国間主義に警戒すべきだ」 日本やアメリカが、インドやオーストラリアなどと共に“中国包囲網”を築くことに警戒心を強める中国。「同盟重視」を掲げるアメリカ・バイデン政権の発足を前に、ワクチンをテコにした中国の外交攻勢はさらに強まりそうです。 (NNN中国総局 富田 徹) 【中国製ワクチンを導入する主な国々(地元メディアなどより)】 ■インドネシア  シノバック製の緊急接種開始、1億2500万回分確保。 ■カンボジア  シノファーム製100万回分調達へ ■シンガポール  シノバック製調達予定 ■タイ  シノバック製200万回分調達へ ■フィリピン  中国がワクチン50万回分の無償提供を約束 ■ベトナム  中国製ワクチンの導入検討 ■マレーシア  シノバック製1400万回分調達予定 ■ミャンマー  中国がワクチン30万回分の無償提供を約束 ■ラオス  シノファーム製2000万回分を確保 ■アラブ首長国連邦  シノファーム製の接種開始 ■エジプト  シノファーム製の緊急接種を承認 ■トルコ  シノバック製の緊急接種開始 ■バーレーン  シノファーム製の接種開始 ■ヨルダン  シノファーム製の緊急接種を開始 ■セルビア  シノファーム製100万回分が到着 ■ハンガリー  シノファーム製100万回分調達計画を発表 ■チリ  シノバック製調達予定 ■ブラジル  シノバック製の緊急接種を開始

「ブラジルで中国製薬大手シノバック製のワクチンの緊急使用が承認された」 「セルビアに中国のワクチン100万本が到着した」 中国の国営メディアは連日、世界各地で続々と中国製のワクチンの使用が始まったことを伝えています。アジア、アフリカ、南米そして欧州まで…世界を舞台に中国のワクチン外交が本格化しているのです。 ■中国製ワクチン、欧州にも… 1月16日、セルビアのブチッチ大統領は、首都ベオグラードの空港に出迎えに行きました。出迎えた相手は海外からの要人ではなく、中国製のワクチンです。届いたのは中国製薬大手「シノファーム」が開発したワクチン100万回分。中国国営メディアは、大統領が中国への感謝を表し、自ら接種すると宣言している様子を雄壮なBGMに乗せて報じました。2020年、圧倒的な生産力で世界各地に医療品を供給し、「マスク外交」が展開されていた頃とそっくりの光景です。 また、隣国のハンガリーも、シノファームのワクチン100万回分を購入する契約を交わしたといいます。記者会見で政権の幹部は、「EU(=ヨーロッパ連合)からのワクチン供給は遅すぎる」と述べました。 中国製のワクチンは、臨床試験のデータに関する情報開示が少なく不透明との指摘もありますが、欧米企業のワクチン供給を待ちきれない国々が次々と中国製のワクチン導入に踏み切り始めています。 中国の2つのワクチン開発企業「シノファーム」と「シノバック」は、2021年中に、それぞれ年間10億回分の量産体制に移行できると自信を見せています。 また、中国外務省の報道官は、中国企業が開発したワクチンについて、「超低温での保存や輸送が不要」とも述べていて、冷凍設備が不十分な途上国にも迅速に供給できる利点を強調しました。 ■東南アジア、アフリカ、ワクチン外交本格化 中国の王毅外相は、1月11日から16日まで東南アジア各国を訪問。ここでも存在感を見せたのは中国製ワクチンです。ミャンマーでは中国製ワクチン30万回分の無償提供を、フィリピンでは同じく50万回分の無償提供を申し出ています。 さらに、インドネシアでは、王毅外相の到着に合わせるかのように、シノバックのワクチンをジョコ大統領が率先して接種。王毅外相は、「中国製ワクチンへの信任と、感染症と闘う決意を体現している」と称賛しました。 地元メディアによりますと、インドネシアはすでに、シノバックより1億2500万本の供給を確保したといいます。訪問先で王毅外相がワクチン協力と合わせて訴えたのは、習近平指導部が推し進める巨大経済圏構想「一帯一路」への協力の確認や、南シナ海の問題を地域内で解決していこうというものです。 王毅外相は歴訪後、その成果を強調する一方で、こうも強調しました。「我々は様々なニセ多国間主義に警戒すべきだ」 日本やアメリカが、インドやオーストラリアなどと共に“中国包囲網”を築くことに警戒心を強める中国。「同盟重視」を掲げるアメリカ・バイデン政権の発足を前に、ワクチンをテコにした中国の外交攻勢はさらに強まりそうです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/acc1a40792019c71a88f019f38e43afd2840407f

日本テレビ系(NNN)


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