こうなるとは思わなかった…コロナ後遺症を訴える声多数

こうなるとは思わなかった…コロナ後遺症を訴える声多数

新型コロナウイルスに感染して回復したあとも、息苦しさや倦怠感、嗅覚・味覚障害や脱毛など、「後遺症」とされる症状に苦しむ患者が数多く出てきている。まだ、実態が掴み切れていない「コロナ後遺症」… 患者たちの声、症状に向き合う医師、そして、研究の最前線を取材した。


【動画】終わらないコロナ後遺症 脱毛・倦怠感・嗅覚・味覚異常…その実態は

 和歌山県内に住む30代の女性。新型コロナに感染したのは、去年8月のことだが、今も、後遺症が続いていると話す。  後遺症に悩む女性(30代) 「退院してからがすごくしんどかった。ご飯もあまり食べられなかったし、買い物も人混みにいるからか、すごく気分が悪くなってきて、買い物してられない状態になり、帰るということも。」   女性は、退院したあとも、嗅覚・味覚の異常や偏頭痛などの症状に悩まされてきたという。さらに、新たな症状もー。

髪の毛が抜けていく…終わらない症状に経済的な負担も

後遺症に悩む女性「頭を洗って、指に絡む抜け毛がすごく目につきだした。髪を乾かして、ゆすっていたら、どんどん落ちていったので。」   脱毛はなかなか収まらず、女性の不安は募っていったという。  女性「これは時期的なものなのか、後遺症なのか…判断がつかなかったので、しばらく様子をみてみたが、これ以上抜けたら、外に出られないかも…と思ったりして、すごく不安になった」  これらの症状が出始めたのは、去年9月ごろ。当時は、コロナに「後遺症」があると知られていなかったため、病院を訪れても、相談にも乗ってもらえなかったという。5カ月が経つ中、診察や薬などにかかる費用は、月2万円ほど。金銭面の負担も重くのしかかっている。   女性「今後もずっと続くとなったら、それも含めて生活費を考えないといけないのでしんどい。完治までは程遠い気がして。まだ先が見えない」

退院した人の半数近くが「後遺症」訴える…和歌山県の調査

 去年12月、和歌山県田辺市の保健所では、新型コロナに感染し、12日間の入院を終えた男性からその後の体調を聞き取っていた。  保健師「お食事のにおいがわかりづらいことが続いているということでしたが、それはいかがですか?」  退院した人 「それもほとんど戻ってきた状態です」  保健師 「味はわかりますか?」  退院した人 「味は最初からわかっています」

質問は、呼吸器症状や吐き気、倦怠感など、10項目以上。退院後も、症状を訴える人が少なくないという。  和歌山県では、去年9月、全国に先駆けて、 後遺症に関するアンケートを独自に実施した。退院した216人のうち、163人が回答。46%の人が「何らかの症状が残っている」と答えたという。中でも、嗅覚障害が最も多く、脱毛については、16%の人が症状を訴えた。  和歌山県・野尻孝子技監(去年12月)「結構、働き盛りの人で、後遺症を訴えている人が多い。脱毛という症状が男女同じ比率で、年齢も幅広くあった。後遺症に苦しんでおられる方もいらっしゃるんだというのは、我々、保険医療に携わる者は、十分理解する必要がある。」

後遺症専門外来を開設 院長「こんなに後遺症が出る感染症は見たことがない」

東京都・渋谷区にあるヒラハタクリニック。全国的にも珍しい新型コロナの後遺症専門の外来診察を行っている。  後遺症患者の男性「だいたい、どれぐらいの期間でよくなりますか?」  平畑光一院長「数か月でマシになるが、消えてなくなるかはわからない。」  もともと、消化器系などを専門として診察をしていた平畑院長。去年3月、患者が後遺症と思われる症状を訴えたことをきっかけに、新型コロナの「後遺症専門の外来」を始めた。今では、朝の午前9時半から日が変わるまで、毎日50人ほどを診察し続けている。  平畑光一院長 「コロナの後遺症では、20代~40代が圧倒的に多い。他の感染症とは全く別物。こんなに後遺症が出る感染症は見たことがない」  後遺症患者の男性「退院してから20日経つが、発熱がずっと続いている。退院=完治だと思っていたが、間違いだったなと。」

オンラインで全国の患者に対応するが…

後遺症の専門外来は、まだ数が少ないため、ヒラハタクリニックでは、オンラインでの診察も行っている。これまでに診察した人は、北海道から沖縄まで、700人を超えるという。  オンライン利用者 「甘いとかしょっぱいは分かるが、それ以外の味覚がない。きょうもシチューを食べたが、油を食べているような感覚。」   平畑院長は、これまでの診察の中で、分かってきたことも多いと話す。  平畑光一院長「脱毛や味覚・嗅覚障害は亜鉛不足でも起きる症状。今回、コロナの後遺症の人たちは、血液検査をすると、かなりの確率で亜鉛が足りていない。ちょっと低い、あるいは、結構低い。亜鉛を補充してもらうだけで、少し良くなる方がいるので、亜鉛が結構、悪さしてるんじゃないかと想定している。」   こうした症例の蓄積が、今後、後遺症の治療に役立てば…と院長は考えている。 「うちだけでは、とても賄えない。何万人をうちだけで、診られるわけがない。それぞれの地域の先生方に診てもらう。その知識やノウハウは公開して、使っていただければと思う。」

始まった後遺症の研究…メカニズムを解明できるか

後遺症に関する事例は、海外でも報告されている。中国・武漢市の医師らでつくる研究チームが1月8日に発表した論文によると、退院から半年以上が経過した患者、1733人のうち、およそ76%が筋力低下、睡眠障害や脱毛など、何らかの後遺症を訴えている。     また、日本国内でも後遺症に関する研究がスタートした。厚生労働省が、3つの研究チームに補助金を出し、後遺症の研究を後押ししている。  そのうちの1つ、金沢医科大学では、嗅覚・味覚異常に特化した研究を行っている。早ければ1月末から、全国的なアンケート調査を実施する予定だ。調査では匂いのしみ込んだ12種類のシートを嗅いでもらい、嗅覚に異常がないか検査を行う。どのくらいの人に、嗅覚・味覚障害が起きていて、それが、どのくらいの期間続くのか、調べる予定だ。  嗅覚・味覚障害は、重症者よりも、中等症や軽症の患者、さらには、比較的、若い世代に多く見られることも分かってきた。     金沢医科大学 三輪高喜教授 「嗅覚障害の場合は、鼻の中の嗅神経の周りにある細胞に、ウイルスの受容体が、非常にたくさんある。その部分にウイルスが付着して、細胞の中に入って、神経そのものにまでダメージが及ぶと、1か月、2か月、3か月…半年と障害が残ると考えられている。」  少しずつ研究が進み始めたものの、いまだ、実態をつかみ切れていない“コロナ後遺症”。その原因が解き明かされるまでは、何よりも感染を避けることが最善の処方箋だと言えそうだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5d29f653cc4fb49936597e207f0f3f12205cfe29?page=3

読売テレビ

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