中国では新型コロナ感染症(COVID-19)発生の初期から現在まで、わずか8万8804件の症例数しか確認されていない。だが、この数字は現実を反映したものなのだろうか? 【画像】中国のコロナ感染者数はなぜ少ない? 公式発表に次々と突きつけられる疑念 新型コロナウイルス感染症が最初に発生した中国は、感染をうまく抑制したように見える。1月22日に発表された公式のデータによれば、感染者数はわずか8万8804人、死者数は4635人だ。 米ジョンズ・ホプキンス大学では、中国の感染者数を公式発表よりもわずかに多く見積もっているが、そのデータにもとづく計算では、中国の10万人あたりの感染者数は6.37人、死者数は0.33人となっている。これは、国際平均の10万人あたりの感染者数1290人、死者数27.67人とは大きく異なる数字だ。 この数字は、中国政府のウイルス封じ込め策の成果なのだろうか? それとも、疑問の残るものなのだろうか? ウイルスが国外にも広がり、感染が拡大するなかで、中国の感染者数・死者数の少なさは国際社会から疑惑の目で見られるようになった。12月28日に発表された中国疾病予防管理センターの研究は、この疑念に裏付けを与えるものだった。レポートによれば、2020年の感染者数は武漢だけでも50万人にのぼると推計されるという。 米通信社「ブルームバーグ」は「調査がおこなわれた4月半ばに、保険当局によって確認された5万人という数字の10倍近い」ものだと論評した。

カウントされない“暗数”が多すぎる統計

中国の公式発表には感染が確認された患者の数しか含まれておらず、無症状感染者はカウントされていなかったことも指摘しなくてはならない。無症状感染者がカウントされるようになったのは後になってからだ。 さらに公式の数字には、2020年1~2月の感染症発生初期の感染者・死者数は含まれていない。当時は検査が足りず、日々手続きが変更され、数多くの目撃証言が示すように、定員オーバーの病院はすべての患者を受け入れられなかった。 武漢のロックダウンが段階的に解除されつつあった3月23日の時点からすでに、多くの住民が2531人という武漢市の死者数に疑問を抱いていた。このころから同市の7つの遺体安置所は死者の骨壺を1日500人のペースで遺族に返還し始めているが、これは膨大な数であり、死者数を実際より少なく数えているのではないかという疑惑をより強めることになった。 米ラジオ局「ラジオ・フリー・アジア」は当時、「このペースで行けば4月5日の祖先供養の日、清明節までに骨壺の数は4万2000個にものぼるだろう」と計算する地元住民の声を紹介している。 公式発表がすべての情報を開示しているわけではないと思わせるデータはほかにもある。たとえば米研究チームが分析した衛星画像は、2019年秋から武漢市の主要病院周辺での交通量が大幅に増加したことを示している。 同研究を指揮した米ハーバード大学医学部教授で、「ABCニュース」で定期的にコメンテーターを務めるジョン・ブラウンスタイン教授は「病原となったウイルス(が広がっていた)とも、それが病院周辺の交通量の増加を引き起こしたとも100%断言することはできない」としながらも、「しかし、調査をおこなったほかのいかなる時期とも非常に異なった何かが起こっていた」と述べた。 もし、この現象の原因が新型コロナだとすれば、症例数・死者数に含まれない患者の数はさらに多いということになるだろう。

https://news.yahoo.co.jp/articles/dc5bf5f7a221e1eb4878ed765aea47c3800dc76d

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