ソビエト連邦は、1990年代初頭に崩壊するまで、数十年にわたって強大な軍事力を保持していた。 【全画像をみる】ソ連が作った軍用機は今も現役…アメリカ軍やNATO軍にとっては大きな脅威 旧ソ連領土のかなりの部分を受け継いだロシアは、その後数十年をかけて着実に自国軍を構築した。拡大を続ける軍事力の中核には、ソ連時代から生き残った軍用機が少数ながら存在し、今も任務を帯びて世界中を飛び回っている。 アメリカとその同盟国は、50年近くにわたってソビエト連邦を最大の脅威とみなしていた。ソ連軍は大規模だった上に、高い性能を持つ兵器を擁し、史上最高レベルの軍事力を誇っていた。 幸い、ソ連と北大西洋条約機構(NATO)加盟国との間の直接的な衝突は一度も起きなかった。しかし、戦争の危機がまったくなかったわけではない。そのため、ソ連とNATO軍は互いに常に監視の目を光らせてきた。 特に警戒が厳しかったのが海軍だった。冷戦期間を通じてソ連は、世界各地に展開されているNATOの海軍部隊を監視し、必要であれば攻撃するための膨大な数の哨戒機、対潜哨戒機や戦略爆撃機を配備していた。 冷戦は終わったが、こうしたソ連時代の軍用機のいくつかはいまだに現役で、ロシアの空軍や海軍で運用されている。

Tu-95(ツポレフ95、NATOコードネーム「ベア(Bear)」)

海上の哨戒および攻撃任務を負うソ連・ロシアの航空機で最もよく知られているのが、このTu-95(ツポレフ95)だろう。NATOからは「ベア(Bear)」というコードネームで呼ばれた爆撃機だ。 Tu-95はアメリカの爆撃機B-29をリバース・エンジニアリングでコピーしたTu-4の代替機として、1956年からソ連の空軍および海軍で実用配備が始まった。 高度約4万フィート(約1万2000m)での飛行が可能で、航続距離9000マイル以上(約1万5000km)のTu-95は、2万6000ポンド(約11トン)以上の兵器を搭載可能だ。 Tu-95は、大陸間飛行の任務や核実験に使われたことでその名を知られている。NATO加盟国との国境沿いを飛行する任務で使用され、NATOは警戒を怠ることができなかった。 ソ連海軍に配備が始まって間もない時期のTu-95はミサイルを搭載していた。ソ連領からはるか離れた場所にいる、敵軍の水上艦を攻撃するためのミサイルだ。 しかし冷戦が続く中で、Tu-95は旧式となり、その任務は哨戒や電子偵察へとシフトしていった。こちらの派生型はTu-142と呼ばれる(NATOのコードネームは、ベアFまたはJ)。 Tu-142は、水上艦および潜水艦の追跡に優れた能力を発揮したほか、ロシア軍潜水艦からの通信を中継する役割も担った。 しかし、Tu-95/142の能力にも限界があった。老朽化によって墜落事故が増加し、これが原因で2015年には、ロシア空軍が保有する全機の運用が一時停止された。また、騒音もかなりのもので、上空を飛ぶ音は水中を航行する潜水艦からも聞こえたという。 冷戦を生き延びたTu-95とTu-142は、ロシア空軍と海軍で使用され、アラスカ州やカリフォルニア州、そして日本の沖合でスクランブル発進を受けたということがたびたび報じられている。開発からはかなりの年数が経っているものの、どちらのタイプも改修が行われていて、ロシアは2040年まで運用を続ける意向だという。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d8f80e5b1e27636d63ef4c120ddbed150b40f90c

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