(CNN Business) 中国の海賊版サイトとして2003年から運営されている「人人影視」が先月、当局の取り締まりで閉鎖に追い込まれ、若者らの間に衝撃が走った。 同サイトには外国のテレビ番組や映画が字幕付きでアップロードされていたが、先月3日以降サービスが停止している。 上海の警察は3カ月に及ぶ捜査の末、同サイトを運営していたとされる14人を知的財産権侵害の疑いで逮捕した。 この時点でサイトの登録ユーザーは800万人超、閲覧できる番組や映画は2万本以上に上っていた。警察によると、運営グループは過去2年ほどのうちに広告や会費、コピー販売などで約1600万人民元(約2億6000万円)の利益を得ていた。 国営メディアは同サイトの摘発を、中国当局による著作権保護の取り組みとして称賛した。一方でSNS上では、外国のコンテンツを当局の検閲なしで視聴できる数少ない場を失ったユーザーらが悲鳴を上げた。 中国当局は1990年代の初めから、国内で上映できる外国映画を数十本に限定してきた。例えば1994~2019年のアカデミー賞受賞作26本のうち、中国で上映されたのは9本だけだ。 ネットフリックスフールーアマゾンプライムなどの動画配信サービスも、中国には進出を果たしていない。ネットフリックスは中国企業との提携を試みたが失敗に終わった。世界でネットフリックスにアクセスできないのは、ほかに北朝鮮とシリア、クリミア半島だけだ。 国内で上映、放映される作品には厳しい制限がある。中国を批判的に描いたり、天安門事件や性的少数者などタブーとされる話題を扱ったりする作品は禁止。生々しい性描写や暴力の場面もカットされる。 映画「ボヘミアン・ラプソディー」は19年に中国で公開されたが、同性愛に関連する場面は全て削除された。米国の人気ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」も、中国版は削除シーンが多すぎて分かりにくいと不評だった。 欧米の大衆文化の流入を脅威ととらえて警戒する習近平体制の下で、こうした統制はますます強化されてきた。 人人影視は03年、カナダの中国人学生らが立ち上げた。当局が09年、無許可の映画や番組の配信を禁止した際、100以上のサイトとともに閉鎖対象となったが、10年には米大学のオンライン講義を翻訳する事業に転換。やがて海賊版の配信を再開し、14年に再び閉鎖された。その後また復活し、一時はサーバーを韓国に移すなどして配信を続けていた。 人人影視は当初ボランティア事業としてスタートしながら、広告や会費で利益を得るようになったことが最大の問題とされる。これは法律上、利益目的の著作権侵害という犯罪行為に当たるからだ。 ただ専門家によれば、人人影視が閉鎖されても、当局によるコンテンツの制限が続く限り、海賊版の需要が消えることはないとみられる。 中国当局が著作権侵害の取り締まりを強化するなら、それと並行して合法的に閲覧できるコンテンツを拡張するべきだと、専門家は指摘している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4f761d7d4018c38adb50e1e2d42c1ba160f81292

CNN.co.jp

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