日本、米国、オーストラリア、インドの4か国が、途上国などに新型コロナウイルスのワクチンを供与する新たな枠組みの創設を検討していることが9日、わかった。中国が展開する「ワクチン外交」に対抗する狙いがある。12日にもオンライン形式で開かれる4か国首脳会談で合意する見通しだ。

【動画】先行接種用のワクチン、都内の病院に到着

複数の日本政府関係者が明らかにした。新たな枠組みは、日米豪3か国がアジアやアフリカの途上国などに低利子で融資を行い、その資金を使い、各国がインド製のワクチンを購入する流れだ。対象国や融資の規模は、4か国で調整を行っている。日本は国際協力機構(JICA)や国際協力銀行(JBIC)を通じた融資を想定している。

 新型コロナワクチンを巡っては、中国が国産ワクチンをアジアやアフリカ諸国に積極的に供与し、これらの地域での影響力の拡大を図っている。中国外務省は2月8日、53か国にワクチン援助を実施済みか、実施予定だと発表した。

 日本政府はワクチンを共同購入・分配する国際的枠組み「COVAX(コバックス)」への資金提供を通じて、途上国にワクチンを供与している。ただ、中国の直接支援と比べ、「顔が見えにくい」との指摘が出ていた。

 インドは、世界のワクチンの約6割を生産する「ワクチン大国」だ。新型コロナワクチンを巡っても、英国の製薬会社「アストラゼネカ」のワクチンをライセンス生産している。国産ワクチンの開発にも成功し、バングラデシュやエジプト、南アフリカなどへの供与も行っている。

 日米豪3か国は中国に対抗するため、インドとの連携を重視しているが、同国は伝統的に中立外交を掲げ、中国包囲網に加わることに慎重だ。「インド製のワクチンを使うのはインドを日米豪側に引き寄せる狙いもある」(日本政府高官)。菅首相は9日、インドのモディ首相と電話会談した。ワクチン供与の協力について協議したとみられる。

 これに関連し、日本政府は9日、新型コロナのワクチンを低温で輸送・管理するための施設整備のため、国際機関を通じてアジアなどの計25か国に対し、約4100万ドル(約45億円)の緊急無償資金協力を行うと発表した。日本は国産ワクチンがないため、ワクチン供与の側面支援をすることで、貢献をアピールしたい考えだ。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1cc917edc9515342630f347abffffc4d476d77ab

読売新聞オンライン


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