【イスタンブール時事】シリア内戦のきっかけとなった大規模な反政府デモが起きてから15日で10年たった。

【図解】シリアの各勢力支配地域

激しい交戦の末、ロシアとイランの支援を受けるアサド政権が国土の主要部分を掌握したが、周辺各国や欧州などに逃れた難民の帰還の動きは鈍い。アサド政権などによる恐怖政治が続き、多くの人々が弾圧を恐れているためだ。  内戦ではシリア人口の4分の1を超える600万人以上が国外に逃れた。ただ、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、内戦で政権が優位に立った2016年以降、シリアに自発的に帰還したのは昨年末時点で26万人超にとどまっている。  イスタンブールで暮らすシリア難民の男性(32)は「帰還する気はない」と断言する。その理由について、既にトルコで仕事があることに加え、「独裁者(アサド大統領)は今も存在する。ニュースにならなくなってしまったが、弾圧は続いている」と語った。故郷のダマスカスを懐かしむ気持ちはあるものの、「よく歩いた通りで人が暴行で殺され、血塗られた記憶に上書きされた。自分が検問所で拘束される悪夢にうなされることもある」という。  国連人権理事会は今月1日、シリアでの拷問被害者ら7800人以上への聞き取りなどに基づく報告書を公表した。それによれば、11年3月から20年末までの期間で、場当たり的な拘束により姿を消した人が数万人いる。男女問わず性的暴行の対象となり、11歳の子どもの被害も確認された。多くはアサド政権側によるものだが、報告書は反体制派やクルド人勢力なども不当な拘束や拷問に手を染めていると指摘している。  360万人以上のシリア人難民を抱えるトルコは、影響下に置くシリア北部の一部地域に難民の再定住を進めることを検討している。しかしトルコで暮らす人々の間では「生活水準に大きな差がある」として、トルコでの生活の継続を願う声が根強いのが実情だ。 

https://news.yahoo.co.jp/articles/e3e9431013191d57b13cba3d6030cec41fcb0c98

時事通信


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